OGFの技術について 物理探査技術の資源開発における位置づけ

エネルギー資源開発の根幹を支える技術

物理探査とは、直接見ることのできない地下の地盤構造を、物理現象を利用して可視化し、その物理的特性を解明する計測技術です。計測に使う物理現象によって様々な手法がありますが、「たんさ」は弾性波(地震波)の反射を利用した地震探査という手法を用いて海底資源の調査を行っています。

(出展:石油鉱業連盟)

石油天然ガス資源の探鉱から開発・生産までは、巨額な初期投資と長いリードタイムが特徴となっています。このような特徴を持つ石油天然ガス開発を支えているのが、正確な地下構造の把握を可能とする物理探査の技術です。天然資源を開発しようとする会社は物理探査によって得られたデータをもとに探鉱・試掘を行います。生産段階においても、物理探査によって正確に地下構造の変化と資源の賦存状況を把握することで、効率的な設備投資や、安全におけるリスクを把握することが可能となります。また、近年では排出された二酸化炭素を回収して地中に貯留するCCS/CCUSの技術がカーボンニュートラルを達成する手段として注目を集めていますが、二酸化炭素の貯留に適した地層の発見、貯留後のモニタリング手段として物理探査に期待が寄せられています。物理探査は、効率的で安全なエネルギー開発、そしてカーボンニュートラルの達成に必要不可欠な技術です。

当社がJOGMECより受託している国内石油・天然ガス基礎調査事業は、民間企業の事業活動を補完し、促進することによって国内における資源の探鉱・開発を進めるための事業であり、「たんさ」によって収録されたデータは、海外を含む幅広い民間企業の積極的な活用が期待されています。

海上地震探査の仕組み

「たんさ」は各種観測機器を曳航しながら海上を航行し、観測を行います。エアガンと呼ばれる装置から地震波を発生させ、海底面や地層の境界面で反射した波をストリーマ・ケーブルに搭載されている各センサーで受振します。受振した振動を電気信号に変えて本船で収録し、データ処理を行うことで地下構造のイメージを可視化することが可能となります。

「たんさ」の観測中イメージ図と各部名称